ヒミツの悪魔くん
「ちょっ…美緒?あたしやっぱり……」
腕を引っ張り返して小さな反抗を見せるも、その腕はいとも容易く振り解かれ店の奥へと引っ張られていった。
だけどあたしにはなんとなくだけど分かっていたんだ。
“これから会う男の子に、あたしは振り回される”
そんな予感がしていたから…。
「やっほ、裕大♪」
「美緒」
待ち合わせの場所の4人席に着いたけど、そこには裕大くんの姿しか見当たらなかった。
そこで、美緒が裕大くんに問いかけた。
「ねぇ、あさに会いたがってる子は?」
「あぁ、いま便所にいるよ。すぐに戻ってくると思うよ」
その言葉に“そっか~。じゃあ、座って待ってよう♪あさ”と美緒が言うから、あたしたちは席についた。
待っている間、美緒と裕大くんが仲良く話すもんだから気を使って“ジュースを取りに行ってくるね”と言ってあたしは席を立った。
もうすぐ、アイツと再開するなんて思いもしないで…。
「う~ん、どれ飲もうかなぁ」
コーラかカルピス。
どちらにしようか迷い、ジュース専用の機械の前でうなっていた。
その時だったー…。