ヒミツの悪魔くん
でも…まだ、チャンスは無くなった訳じゃない。
けど…美緒や裕大くんみたいに星とも繋がっていてくれればと…それだけで勇気がもらえる気がしたの。
だけど残念。
悲しくて、言葉を飲み込んでしまいそう。
「………」
落ち込むあたしをよそに、あたしに星の視線が向けられていたなんてこの時のあたしは気づいていなかった。
「それじゃ、1番手」
「はーい」
奏さんの呼びかけに、美緒が元気よく答える。
1番を引いた美緒たちが1番手。
2番手が星たちで3番手があたしと奏さんになった。
「この林の向こうに大きな大木がある。そこに黄色いハンカチを結んできたからそれを取ってくること」
奏さんの指差す林が暗がりに風で仰がれて、あやしく揺れる。
ま…まじっすか…。