ヒミツの悪魔くん



少し和らいだ奏さんの悲しそうな顔。




良かった…。




“じゃー行こうか”という奏さんの声を合図にあたし達も林の中へと進んだ。







入って少し進んだところで、美緒達とすれ違う。




「行ってら~」

「うわぁ~ん」




美緒は帰り道も元気だった。




あたしの不安そうな顔を見て、“ゴールで待ってる♪”と黄色いハンカチをヒラヒラさせながら帰り道を再び進んでいった。




たくっ、帰り道の余裕か。




ムッとしているあたしの顔を奏さんが覗きこむ。




「面白い顔」

「変顔の練習です」

「なにそれっ」




あたしの言葉に、奏さんが笑う。





なんだか、いつの間にか怖いって気持ちが和らいでいた。





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