背伸びしたら
〜見上げよう〜

幼なじみ

校庭の桜の木は、もうすっかり緑の葉っぱに囲まれて、夏はもうすぐそこってとこまでやってきた。


教室に入ってくる、夏を漂わせる風も、今はすっごく気持ち良い。


5時間目、ただでさえ眠い時間たいなのに、窓際の席の私、

相馬 未那(高校1年)

は、気持ち良い風にのって睡眠学習‥‥



のはずが、



「‥‥ま、‥‥そう‥ま、」

誰か呼んでる?

夢だよね‥


午後の日差しがあまりにも暖かくて、今の私には夢と現実がぐちゃぐちゃで、


「相馬!!」


教科書を片手に持った古典の先生が目の前に来て叫ぶまで気付かなかった。


とっさに、

「は、は、はい?!?」


なんて、裏返った変な声で返事した私には、クラスのみんなの温かい笑いがおこる。



はぁ‥、自分のばか‥


「相馬、いくらなんでも開始3分から寝られると先生は悲しいよ。」


怒ってるわりに残念そうに肩をおとした先生。


なんだかすっごい悪いことした気分になってきたんだけど‥


「すみませんでした。」


あまりに気の毒で、私は先生に頭を下げた。


そうやって、やっとことが終わったと思ってたとき、
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