背伸びしたら
中学の時から、何かと遣汰絡みて呼び出されたり、嫌がらせを受けてきた私。
そのせいで、遣汰は私以上にそういうことに敏感になった。
私が何か言われたり、嫌がらせされたりすると、決まって遣汰は間に入って、
「俺とこいつ、ガキんころから一緒でただの幼なじみなんですよ。ちびだから、妹とみたいなもんなんです。」
っつ言ってくれた。
何で私が妹なの!!
って怒ったら、
「その方が、向こうが納得するんだよ。」
だって。
よく分かんなかったけど、一度遣汰がそう言った先輩たちは、二度と嫌がらせをしてこなかった。
だから、今回もきっと‥
遣汰は見てたんだね。
「清瀬さんのこと‥?」
そう私が言うと、
遣汰は小さく頷いた。
「‥大丈夫だよ!清瀬さんは、眠ってた私にノート見せてくれたんだよ。」
大丈夫。
そう私は遣汰に嘘をついた。
だけど、遣汰は私のうそに気付いたのか、
「本当に?」
って聞き返した。
「本当に!!嘘言ってどうするの!」
そう私が笑いながら言うと、
「それなら良いけどさ」
って笑顔で言った。