猫と君



「はぁ…はぁ…けい…慧!!」


煤で体中が真っ黒になった葵が
必死に抱きついてきた。


「どうしたんだよ!!こんなに真っ黒になっ…」


「お母さんとお父さんが
まだ中にいるの!!!

早く!!早く!!助けなきゃ……」


バタン…――


「葵っ!!?」



そう言って葵は地面に崩れ落ちた。




とたんに
騒ぎを聞いて父さんと母さんが起きてきて


葵と大きな炎を見て
状況が最悪だということに

みんなが焦った。



「母さん!!早く!!
消防車呼んで!!!」


「はい!!」



炎はさらに勢いを増し
俺たちをさらに熱く照らした。



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