猫と君


葬儀が終わり



火葬場に向かった。



灰は天に向かって上る。


夫婦の魂は
どこへ向かうのか。


もしかしたら
二人して葵のもとに帰って来てんじゃないかな…。



あんなに絆の強かった家族

きっといつまでも
一緒なんだろうな…。



なんて
必死に希望を探していた。





「…慧……」


呼ばれて振り返る。


「…よぉ、葵」



葵は静かに俺の隣に来て
共に細く上る煙を見ていた。




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