猫と君
「眠い……寒い…」
1月下旬。
田舎の冬は厳しい。
急いで着替えを済ませた俺はたったっと階段を降りて
朝飯の乗ったテーブルにつく。
続いて俺の向かい側の席に葵が座った。
「あけみさん、ボスに餌やっといたよ〜」
「あら、ありがと!
…葵ちゃん?私たち、もう家族なんだから
名前じゃなくて、お母さんって呼んでくれてもいいのよ〜?」
「俺のこともお父さんって呼んでいいんだぞぉ」
「ん〜なかなか抜けなくて…でも、ありがとう」
父さんと母さんと葵はお互いに笑いながら
朝食を口に運んでいる。
にゃあ〜
自分のご飯を
食べ終わってしまったボスは
また葵の足に顔を摺り寄せていた。