Perfume 第一章
「お前さ、鈴子さんのこと好きなの?」
矢城君が小さい声で聞いてきたので
何も言わずに頷く
「…俺、今日歩美ちゃんに告ろうと思うんだけど」
「え?…もう付き合ってんのかと思った」
矢城君が小さく笑う
「だといんだけど…俺もチキンだからハッキリ言えなくてさー…年下だし?」
いつになく真剣な矢城君に少し驚いていた
矢城君っていつも適当な人だったから
でもそんだけ好きってことなんだよな
「きっとうまくいくと思うよ」
根拠なんてなかったけど本気でそう思っていた
「…だからお前も頑張れよ!鈴子さん彼氏と別れたらしいから」
そう言い捨てて矢城君は立ち上がって
歩美さんと鈴子さんの方に歩き出した
…別れたって…?
いつ?いつまで彼氏いたんだよ?
こないだのサラリーマン?
急に落ち着かなくなって下を向いて芝生をちぎり出してしまう
「ちょっとダメだよ、ちぎっちゃ~」
顔を上げると鈴子さんが立っていた
「…ごめんなさい」
鈴子さんは笑いながら俺の横に腰を下ろす
「矢城君にラケットとられちゃった~」
長いサラサラの髪を左耳の下でシュシュで束ねている鈴子さんの横顔を盗み見る
やっぱりスーツの時とは少し違う
メイクのせいなのかな
「陵君ってさー彼女いる?」
「へっ?俺?いませんっ」
突然の質問にやっぱりドモってしまう俺
「モテそうなのにね」
「…全然モテないよ」
…あ、笑った
別れたばかりの彼氏のことは気になったけど
もう、どうでもいいや
もう、止まらない
鈴子さんが好きだ
「メアド教えて下さい」
唐突に言い出した俺に少し驚きながらも鈴子さんは携帯を出して赤外線で送信してくれた
その日から
鈴子さんとの恋が動き出したんだ
矢城君が小さい声で聞いてきたので
何も言わずに頷く
「…俺、今日歩美ちゃんに告ろうと思うんだけど」
「え?…もう付き合ってんのかと思った」
矢城君が小さく笑う
「だといんだけど…俺もチキンだからハッキリ言えなくてさー…年下だし?」
いつになく真剣な矢城君に少し驚いていた
矢城君っていつも適当な人だったから
でもそんだけ好きってことなんだよな
「きっとうまくいくと思うよ」
根拠なんてなかったけど本気でそう思っていた
「…だからお前も頑張れよ!鈴子さん彼氏と別れたらしいから」
そう言い捨てて矢城君は立ち上がって
歩美さんと鈴子さんの方に歩き出した
…別れたって…?
いつ?いつまで彼氏いたんだよ?
こないだのサラリーマン?
急に落ち着かなくなって下を向いて芝生をちぎり出してしまう
「ちょっとダメだよ、ちぎっちゃ~」
顔を上げると鈴子さんが立っていた
「…ごめんなさい」
鈴子さんは笑いながら俺の横に腰を下ろす
「矢城君にラケットとられちゃった~」
長いサラサラの髪を左耳の下でシュシュで束ねている鈴子さんの横顔を盗み見る
やっぱりスーツの時とは少し違う
メイクのせいなのかな
「陵君ってさー彼女いる?」
「へっ?俺?いませんっ」
突然の質問にやっぱりドモってしまう俺
「モテそうなのにね」
「…全然モテないよ」
…あ、笑った
別れたばかりの彼氏のことは気になったけど
もう、どうでもいいや
もう、止まらない
鈴子さんが好きだ
「メアド教えて下さい」
唐突に言い出した俺に少し驚きながらも鈴子さんは携帯を出して赤外線で送信してくれた
その日から
鈴子さんとの恋が動き出したんだ