Perfume 第一章
「やだ~どしたの~痛そ~大丈夫~?」
「陵ちゃん、血~出てるよ~これ使って~」
ざわめく昼休みの教室に戻ると、痛々しいであろう俺の顔面を見て、まとわりつくブリッコな女子や、その様子を冷ややかな目で見過ごす男子があまりにもうんざりで
カバンを取って、めいっぱいの可愛い笑顔を造ってみせた
「大丈夫、大丈夫。階段でコケちゃってさ…とりあえず今日は帰るね。」
俺はこの顔のおかげで
モテてる
自分でいうのもなんだけど母親似の可愛らしい顔は嫌な気はしないし告られればそれなりに嬉しい
でも彼女なんて居た事はないし、もちろん童貞
正直、あんまり女子に興味が沸かない。
気まぐれだし
嘘つきだし
すぐ泣くし
女子は悪魔です。
いやだからって
何度もいうけどゲイではないよ
男ですから性欲もある。
でもイマイチ周りの女子にリアルな恋愛感情を持てないんだよね
その上おそらくこの顔のせいで男子には基本的に敵が多いし
あ~可愛い顔に生まれて良かった!
なんて思ったことは…今のところはあんまりない
そりゃ悪いよりは良い方がいいけどさ…
そんな事をただグルグルと考えながら職員室に向かい、アラフォー独女の担任に顔面を見せ同情させて早退を公認してもらう。
本当に転んだと思ってるんだろーかと疑問が残るけど
脱力感でふらふらと階段を下って玄関へ
「もう、いい!」
スニーカーを取り出そうとかがんだ瞬間
悲鳴にも似た女の叫び声が下駄箱の反対側に響いた
走り去る女の子の足音が遠ざかって
ようやく俺はスニーカーを地面に放る
今のはB組の冴島美央か…
気配がして振り返るとサッカー部の伊崎智哉が立ちすくんでる
伊崎は俺や瑞貴と違ってゴツくて男らしくて、その線の女子には結構モテてるらしかった
「女の子には優しくした方がいいんじゃない?」
なんとなく察して俺がからかうと
伊崎が見下した様に鼻で笑う
「草食系とかマジありえねーわ」
本気のイヤミにかちんときたケド鼻で笑い返して玄関を出る
見上げた空は曇ひとつない快晴
けだるい高2の夏がはじまりそうな不機嫌な午後
「陵ちゃん、血~出てるよ~これ使って~」
ざわめく昼休みの教室に戻ると、痛々しいであろう俺の顔面を見て、まとわりつくブリッコな女子や、その様子を冷ややかな目で見過ごす男子があまりにもうんざりで
カバンを取って、めいっぱいの可愛い笑顔を造ってみせた
「大丈夫、大丈夫。階段でコケちゃってさ…とりあえず今日は帰るね。」
俺はこの顔のおかげで
モテてる
自分でいうのもなんだけど母親似の可愛らしい顔は嫌な気はしないし告られればそれなりに嬉しい
でも彼女なんて居た事はないし、もちろん童貞
正直、あんまり女子に興味が沸かない。
気まぐれだし
嘘つきだし
すぐ泣くし
女子は悪魔です。
いやだからって
何度もいうけどゲイではないよ
男ですから性欲もある。
でもイマイチ周りの女子にリアルな恋愛感情を持てないんだよね
その上おそらくこの顔のせいで男子には基本的に敵が多いし
あ~可愛い顔に生まれて良かった!
なんて思ったことは…今のところはあんまりない
そりゃ悪いよりは良い方がいいけどさ…
そんな事をただグルグルと考えながら職員室に向かい、アラフォー独女の担任に顔面を見せ同情させて早退を公認してもらう。
本当に転んだと思ってるんだろーかと疑問が残るけど
脱力感でふらふらと階段を下って玄関へ
「もう、いい!」
スニーカーを取り出そうとかがんだ瞬間
悲鳴にも似た女の叫び声が下駄箱の反対側に響いた
走り去る女の子の足音が遠ざかって
ようやく俺はスニーカーを地面に放る
今のはB組の冴島美央か…
気配がして振り返るとサッカー部の伊崎智哉が立ちすくんでる
伊崎は俺や瑞貴と違ってゴツくて男らしくて、その線の女子には結構モテてるらしかった
「女の子には優しくした方がいいんじゃない?」
なんとなく察して俺がからかうと
伊崎が見下した様に鼻で笑う
「草食系とかマジありえねーわ」
本気のイヤミにかちんときたケド鼻で笑い返して玄関を出る
見上げた空は曇ひとつない快晴
けだるい高2の夏がはじまりそうな不機嫌な午後