Perfume 第一章
「それ以来ちょっと気まずいんだ」
水族館の一件から会っていなかったしメールも電話も素っ気なくて
明日からまた週末だというのに
ハッキリした約束もなく
不安は募るばかりだった
瑞貴と放課後の教室の窓から校庭を見下ろす
「…実は火曜日の放課後、愛美が俺んとこ来たんだよね…陵ちゃんの彼女って何してる人なの?って詰め寄られた」
「…なんて答えたの?」
「知らないって」
瑞貴が肩をすくめる
~♪♪♪~
―鈴子さん―
「鈴子さんだ」
瑞貴がどーぞと手の平で促す
「…はい」
「―今どこ?」
「えっ…学校」
「―学校ってどこ?」
「…どーしたんだよ」
嫌な予感がする
「―…信じられない…」
「何?どーしたの?」
じんわりと汗が滲む
「陵!あれって…」
瑞貴が指を差した
校庭の向こう側の道路に駐車してある赤いパッソは
鈴子さんの車だった
見通しの良い校庭を挟んで見つめ合っている
俺と鈴子さん
「―嘘つき」
ブチ
ツーツーツー
急いで
教室を飛び出して
階段を駆け降りて
上履きのまま
校庭に飛び出した
けどもうそこには
赤いパッソも
鈴子さんも
いなくなっていたんだ
水族館の一件から会っていなかったしメールも電話も素っ気なくて
明日からまた週末だというのに
ハッキリした約束もなく
不安は募るばかりだった
瑞貴と放課後の教室の窓から校庭を見下ろす
「…実は火曜日の放課後、愛美が俺んとこ来たんだよね…陵ちゃんの彼女って何してる人なの?って詰め寄られた」
「…なんて答えたの?」
「知らないって」
瑞貴が肩をすくめる
~♪♪♪~
―鈴子さん―
「鈴子さんだ」
瑞貴がどーぞと手の平で促す
「…はい」
「―今どこ?」
「えっ…学校」
「―学校ってどこ?」
「…どーしたんだよ」
嫌な予感がする
「―…信じられない…」
「何?どーしたの?」
じんわりと汗が滲む
「陵!あれって…」
瑞貴が指を差した
校庭の向こう側の道路に駐車してある赤いパッソは
鈴子さんの車だった
見通しの良い校庭を挟んで見つめ合っている
俺と鈴子さん
「―嘘つき」
ブチ
ツーツーツー
急いで
教室を飛び出して
階段を駆け降りて
上履きのまま
校庭に飛び出した
けどもうそこには
赤いパッソも
鈴子さんも
いなくなっていたんだ