Perfume 第一章
翌日

目がパンパンに腫れた



俺の横顔を
見つめる



愛美の視線に
気が付いていたけど

意地でも
目は合わせなかった



どうしてバレたのかなんて

愛美が何かしたんだと
見当がついていたけど



どーでもよかった

本当に
どーでもいーんだ




ただ

今は

鈴子さんに

会いたい
会いたい
会いたい



笑顔が見たい


「もー何やってんのよ」

そう言って
いつも通り

世話を焼いて欲しい



好きで好きで好きで

死んでしまうんじゃないかな、俺




瑞貴に話しを聞いて欲しかったけど

理由はわからないけど休んでいた



帰りまで

なんとか


鈴子さんを思い出さないように

涙を堪えて



やり過ごした


「陵ちゃん」
帰りに玄関で愛美に話しかけられたけど

聞こえないふりをした



「待って…違うの、高校生だってこと隠してるなんて知らなかったんだもん」



無視して歩き続ける俺に愛美がまとわりつく


「…どーでもいい」



瑞貴…
何で休んでんだろ?

風邪?

家よっても大丈夫かな?



そんな事考えながらも視界の左側に愛美がいる

「ついてくんなよ」
いい加減にうんざりして少しキツイ口調になってしまう



それでも黙ってついて来る愛美

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