走り出せ、コスモス<前編>


「お時間取ってしまってすみません」

「ああそれは全然!大丈夫です」

先生は机の上の紙を見た。

「これ…いる?いらないか」

あ…


確かに 今聞いたので

十分に理解できた。


でも 先生が書いたものだから

欲しい…かも


「いらないか汚いし…ってうわー!!

これ大事な紙だったー!!」


えーっ!!


「やばい!書き直しだーああぁー」

筆圧で紙は破けそうなくらいだし 再生は無理そう…

「あの…すいませ…ん」

申し訳なさすぎて、消えそうなくらいの声で言った。

「え!
吉風さんのせいじゃないよ
俺がよく見ずに書いたから

完全に俺の不注意!」

ホントに… いいのかなあ…








< 11 / 128 >

この作品をシェア

pagetop