走り出せ、コスモス<前編>
「お時間取ってしまってすみません」
「ああそれは全然!大丈夫です」
先生は机の上の紙を見た。
「これ…いる?いらないか」
あ…
確かに 今聞いたので
十分に理解できた。
でも 先生が書いたものだから
欲しい…かも
「いらないか汚いし…ってうわー!!
これ大事な紙だったー!!」
えーっ!!
「やばい!書き直しだーああぁー」
筆圧で紙は破けそうなくらいだし 再生は無理そう…
「あの…すいませ…ん」
申し訳なさすぎて、消えそうなくらいの声で言った。
「え!
吉風さんのせいじゃないよ
俺がよく見ずに書いたから
完全に俺の不注意!」
ホントに… いいのかなあ…