走り出せ、コスモス<前編>



16時40分…

先生の1つ目の授業が終わる時間。

私は階段の一段目に座り込んで、先生を待ってた



あ 出てきた…!


ドク… ドク…



顔が、少し熱くなってるのを感じる

こんなときめき、

やっぱり他にない



やっぱり先生がすきなんだ…



あぁっ

もうデスクルームに入ってしまう…!


「先生!」


彼は、あの大きな目でこっちを見た。


「ど どうしたの?」


先生の声の調子が

前とちょっと変わった気がした


いつもの

まえのとは 違う感じ…


気のせいかもしれないけど

なんか 嬉しい



「これ見てっ」


さしだしたプリントを、先生は私の手に触れないようにそっと取った



「数学…うわやべ

化学も…

うわ、英語以外もすげぇ!」

先生はプリントに顔を近づけて、笑いながら驚いて言う


「これ!これがすげぇな!」

先生は総合順位を指差してこっちを見て笑った。


頑張ってよかった…!!

先生にこんなに笑ってもらえるなんて!!

ほめられちゃった!!


笑いながら上を見ると、先生と視線が合った。


二人から、笑いが消えた。







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