走り出せ、コスモス<前編>
今日も、私は先生に質問しに行く。
毎日毎日「これ教えてください!」って…。
知らない人から見れば、私ただのガリベンだよ。
先生も、私のことガリ勉って思ってる?
今日はテスト前最後の塾だから、いっぱい聞いとこうと思って
いっぱい聞かなきゃいけないとこのリストを作った。
「ここは、前のbeingに受動態がかかってるんだよ。
だから、スラッシュはここじゃなくてここになるね。」
おぉ、なるほど…
「理解?」
「はい! 理解理解!」
先生の真似して
オッケーサインしてその丸を口に当てた
「課題テスト、頑張ってね」
「へっ?」
最後の質問をして
帰ろうかと思ったときに、先生が言った。
目を丸くして、プリントから先生の顔へ視線を移す。
「は、はい!がが頑張ります!!」
先生の突然の言葉に、タジタジになっちゃう私。
春休み最後の日は、今まで一番いい日だっ!!
「はは。どっから声出してんの?」
先生のちょっと意地悪な笑顔に、私はノックダウンさせられそう。
入学式の2日後の、いきなりのテスト。
頑張るよ。
先生がいつも教えてくれたんだもん。
いい成績だったら… 喜んでくれるかな。