走り出せ、コスモス<前編>
古い校舎を一段ずつ上って
3階の教室に入ると、もう人はいっぱいいた。
附属中からの人がやっぱり多くて、その人たちはもう集まって話してた。
静かに一人で座っている人もいる。
このクラスで、1年間過ごすんだぁ…。
高校生になるのなんて初めてだもん。
どう言い表したらいいか分からず、真緒ちゃんと黙ってただドキドキしてた。
そしたら 女の子が2人、話しかけてきた。
「中川原俊子です!」
「大谷友香です!」
お互いに出身中学を言い合ったりして、
名前は呼びすてでいいよ~なんて。
俊子、友香…
うぅ…友達を呼び捨てにするのって、慣れないなぁ…。
2人は、同じ中学ってわけではないみたい。
隣の席になっただけなのに、
2人で話しかけに行くなんて…私ならできたかなぁ。