走り出せ、コスモス<前編>


うわ…

やっぱ知らない人ばっかり


あれ 教室分かんない

…どーしよ


リュックのひもをかたく握って キョロキョロしていると

一番近くの部屋から 見たことのある人が出てきた。


「あれーっ 沙枝ちゃん!?」

「真緒ちゃん!?」


目を見開いて、大きく口を開けて 走ってくるのは

森定真緒ちゃん

小学生のころすごい仲良かったんだ


「うわ~久しぶり!沙枝ちゃんももしかして一高?」

「え、真緒ちゃんも!?

あっそっか!附属だから」



私は家の近くの公立中学に通ってたけど

真緒ちゃんは国立大学の附属中に行っちゃって

中学のあいだはほとんど連絡を取り合わなかった


附属中は私達が春から通う県立第一高校のすぐ近くにあるから、

真緒ちゃんはずっとこの塾に通ってたのかな


うー やっぱりもうグループとかできてんのかな

友達 できるかな…


「真緒ちん友達~?」

わわ!

真緒ちゃんの友達かな


「うん!一高なんだよ」

真緒ちゃんは友達を紹介してくれた。


よかったあ…

座席表どおりの席についた後は、4月からの高校ライフを想像してた








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