走り出せ、コスモス<前編>



今までみたことのない自分の点数に

みたことのないくらい私よりできる人。


塾でいろいろ言われて、私は調子にのってた。

私、ダメじゃん…。





藤石先生の授業。


いつもなら、自分でもどうしたのってくらいテンション上がって

先生の顔を見つめて一生懸命ノートを取るのに、


今日はどうしてもそんな気分になれなかった。


塾の教室は、縦に6列横に6列 左右2つに分かれて机が並ぶ。

4月の授業、私は前から4番目の内側の席になっていた。


内側だと、先生が通ったら近いんだ。

近いから、うつむいてれば顔は見られなくて済む。


きっと私は今最強にブサイクな顔をしているんだろう。

失望と、嫉妬で、顔が歪んでる。


こんな顔

見られたくない……






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