走り出せ、コスモス<前編>
私は先生に、昨日までのことを話した。
ホントはすっごく頑張ったこと
すっごくいい点とりたかったこと
点数 悪かったこと
先生は、次の授業がすぐ始まるのに、
ずっとそこにいて私の話を聞いてくれた。
「先生、授業は…」
…なんて ホントは行かないでほしい。
でも、先生としての先生もすきだから。
普段なら、絶対授業に遅れたりなんてしないから。
「いいから。」
先生の語気が強いのに、圧倒されてしまった。
そのまま私は
周りはもっとできてたことまで 最後まですべて話した。
話し終わると、先生は真剣な表情のまま
語り聞かすように 一言一言 丁寧に言った。
「沙枝ちゃんは頑張ったよ。
それは俺がちゃんと分かってる。
自分より上の人に初めて出会って、悔しいって思ったんだね。」