走り出せ、コスモス<前編>


――――まぁ、

その気がないのなら無理に食べなくてもいっか…

そして、箸を置いた。


「沙枝ちゃん」

正面に座ってるお母さんも箸を置いて言った。


「もう少し食べたら?

ほら、今日は沙枝ちゃんが好きだから

しょうが焼きにしたんだよ?」

「うん…」


私は目を半分伏せて、口だけで笑った。



お母さん…

作ってくれてありがとう

でもごめん…


食べられない…









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