走り出せ、コスモス<前編>


そうしたら、風と共に

突然あの笑顔が舞い込んできた


「はじめましての人もお久しぶりの人もいると思うけど

みなさん、こんにちは

春期講座このクラスの英語を受け持つ藤石康治です。」

ふじいし…やすはる……

どうしてか

一瞬でインプットしてしまった


さっき

今まで見たこともないくらいの優しい笑顔をしてたのは

どうやら私達の先生みたい。


「では初めてなので、出席でも取りましょうかねぇ」

若いなぁ…
二十代…前半じゃないの?

塾の先生って、なんかもっとおじさんか おじいさんみたいな人かと思ってた。

しかもここは一高のクラスでしょ??


一高は、公立では県内トップレベルの学校なんだ。

私は高校見学のとき「ここだっ!」って思って、

毎日5時間勉強して必死の戦いの末合格した。


周りの皆も、今は分かんないけどきっとすごい頭いいんだろう。

そんな人達なんだから
てっきりベテランっぽい人なのかと…。


この先生、すっごく優しそうなのは魅力的だけど

中学のときにいたけど
こういう優しそうな先生って

生徒に気ー遣いすぎて授業進まなかったりするんじゃないかな


大丈夫かな…








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