走り出せ、コスモス<前編>
先生の優しさ
火曜日
塾の授業の後、真緒ちゃんと一緒に帰ろうと思って2階の自習室に残った。
真緒ちゃんの授業は私の次の時間まであるからね
帰りが遅くなるから、みんなでコンビニに行ってご飯を買った。
教室で何人かのグループで分かれて食べたけど
私はすぐ終わったから英単語テキストを見ていた。
「沙枝ちゃん
もう…食べないの?」
真緒ちゃんが私の方を向いて言った。
「うん。お腹いっぱい」
これはホントか嘘か、分かんない。
お腹いっぱいって、どんな風か忘れちゃった
「沙枝ちゃん…食べなさすぎだよ」
真緒ちゃんは、心配してるみたいな表情で私を見た。
「えぇ~そんなことないってぇ!」
「いや、ホントに。
病気になっちゃうよ…」
本気で心配してる感じがした。
「そーだよ 沙枝ちゃん」
横で 他の子も言った
「やせて きれいになったけど
やりすぎだよ
怖いよ!」
や やりすぎ…??
でも…
私 頑張ってるんだよ
それは
邪魔しないで…
「あはは。
う~ん。じゃあ、考えとく!」
思いっきり笑って、振り払った。