走り出せ、コスモス<前編>
気づけばその「自習室3」は私だけになっていた。
真緒ちゃんまだかな…
テキストから時計の方に視線を移すと
開いてる窓から風が吹きこんだ。
あ
プリントが飛んで、部屋の入口近くまで飛んで行った。
まあ今はいらないし…
帰りに拾おう
風が髪を揺らして
気持ちいい…
「これ、違う?」
驚いて入口を見ると、
プリントを持った藤石先生が立ってた。
「あっ!
はい!!私のです!!」
びっくりして私は立ち上がった。
私にプリントを手渡して、先生はにっこり笑った。
つられて
私も 笑みがこぼれた
心臓が、大きく 深く
波打っていた。