走り出せ、コスモス<前編>
キョリ
6月
梅雨前線到来
…といっても 私たちが住んでる県は毎年降水量が少なくて
梅雨にあんま降らないから 夏に水不足になる
今日は 恵みの雨
1日中しとしと降ってる
教室の窓から見える 霧隠れの景色のように
私の頭の中は先が見えないでいる
先生を エスパーでも お助けマンでもなく
男の人としてあんなに 実感したのは初めて…
2・3日経つのに、ドキドキがなりやまない
思い出すたびに先生でいっぱいになる
「昨日1時までゲームしてしまった!
この間沙枝ちゃんと買いに行ったやつ、ストーリーが超いいんだ~!」
真緒ちゃんがハイテンションで話す。
あ そのゲーム
先生と話して 泣いた後に買いに行ったやつだ
「いっつもその話してるよね
そんなにおもしろいの?」
「おもしろいよ!やばいよ~??」
真緒ちゃんは すっかりゲーマー
「今度真緒ちゃんち行ってもいい?
私もそのゲーム見てみたいなー」
「マジでっ!?
やっったあー!!いいよいいよ!いつでも来て!」