走り出せ、コスモス<前編>


真緒ちゃんと私は、小学生のころ仲が良くて

家も近いからよく遊びに行ったりしてた。


「そういえば、真緒ちゃんちも独特なにおいするよね」

「ああ~よく言われる」


真緒ちゃん自身にも、そのにおいが移ってると思う

教室で いろんな人がいるのに

真緒ちゃんが通りすぎたら

においだけですぐ分かるもん


って

私 においフェチ??


「真緒ちゃんも って

他に誰か変わったにおいの人でもいんの?」

「べ、べつに!

あっ そ そのゲームって、どんな内容なの?」


話を無理矢理180度折り曲げた。

ある人を思い出して、恥ずかしくなったから。


それにも気付かず、

真緒ちゃんはテンションを上げてストーリーを語りだす。


「へぇ~おもしろそうだね。」

「でしょ!

私今日塾なんだけど、終わったらメールするから

そのあとおいでよ!

明日休みだしさ、夜遅くまでいても大丈夫!」


真緒ちゃんは、週に3回塾の授業がある。

だから今日も…

いいなあ…



「あ、あのさ…

私も塾に行って待っててもいい?」

真緒ちゃんはびっくりしたような顔をしたあと、にかって笑って

「もちろん!そうしよそうしよ!」って言った。


やった…先生にまた会える…!!


私は嬉しくってクスクス笑った

なのに

真緒ちゃんの方が

なんだか嬉しそうな顔をしているのは

なんで…?






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