走り出せ、コスモス<前編>

ある雨の日




「嬉しそうだね 何かあったの?」

真緒ちゃんちでゲームしてる間、何回そう言われたか分からない

そんなに顔にでてる…?


「ふふふ~」

「言わんのかーい」


今日も雨


でも私の頭の中は晴やか

てか

ピンク一色


「このゲームど?

おもしろいっしょ??」

「うんやばいー!はまるかもー!」

真緒ちゃんが買ったそのゲームは、聞いたこともないRPG

でもゲーマーに言わせると

有名なんだって


「これ買いに行った日さ… 何があったの?」

真緒ちゃんがちょっと低い声で言った

「別に 嫌なら言わなくていいよ?」



あの日のこと


あの日 明らかに泣いた後って顔で

真緒ちゃんに会った

でも

真緒ちゃんは何も言わなかった


何も言わない

言葉にしないって 優しさ


真緒ちゃん

大好き


「あのね」


あの日先生に言われたこと

その前の日々こと

そのときの気持ち


全部 話した





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