走り出せ、コスモス<前編>



聞きながら 真緒ちゃんは泣いてた


「ごめん 私に泣く権利なんか

ないんだけど

でも 勝手に…」

真緒ちゃんが泣くとこ 初めて見た


「ホント…ごめん!!

私が考えなしなこと 言っちゃったから…!!」

「真緒ちゃんのせいじゃないよ!」

ホント

私が勝手に

突っ走っただけ


「でも

急に沙枝ちゃんが痩せてってて

ご飯全然食べてなかったの


いつも隣にいたから 私 

気づいてたのに」


真 緒 ちゃん…


「そんなに

ご飯食べられなくなってるほどにまでなってるなんて

気づけなくて


止められなくて

ホント ごめん…」


真緒ちゃんは手で目を隠しながら

涙を拭いてた

声が だんだん弱くなってた


胸が震えるような感じがして

私も泣きそうになった


「気持ち 話さなくて

…ご ごめ…」

声が 出なくて


耳の辺りがキーンとするのが分かって

もう

しゃべれなかった





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