走り出せ、コスモス<前編>



「すきなの」



先生は、目を大きく開けてこっちを見た


そして少し笑いながら尋ねた


「え?」




「先生が すき」


私は先生の目を

一心に見つめた


目を見るのは 恥ずかしかったけど

この強い強い思いが

届くように



先生は口を開けたまま私を見てた

「えっと・・・ごめんびっくりしちゃって、ちょっと待って、えっと…」


先生は下を向いて、右手で髪をくしゃくしゃにした



―― すきなの 先生がすき ―――


さっき自分が言った言葉が、何度も頭の中に浮かんだ


先生が 口を開いた


「それは 男女として?」


「うん…」


「つまり

付き合いたいってこと?

え、俺と…?」


うん…

そう だよ


恥ずかしくて 怖くて 

足が 震えた



先生はまた

頭をポリポリ掻いた



顔を上げた先生は


少し苦い 笑みを浮かべてた


「う…ん…ごめん。それはできない。」




え・・・








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