走り出せ、コスモス<前編>



「ごめん…」


目の前が真っ白


真っ白で

先生の言葉の意味が

分からなかった


「沙枝ちゃんのこと

そういう風に見たことはないよ」


先生は今まで見たことない種類の笑顔で、私から目を離した

その先生を、私はずっと見てた


「…先生をもっと見てたいって

叶わないの?…」

消えしまいそうな声で言う


先生は向こうを向いたまま答えた


「俺にはできない

ごめん」








< 87 / 128 >

この作品をシェア

pagetop