走り出せ、コスモス<前編>
外に出ると、2時間前には降っていなかった雨が降ってた
水しぶきをあげながら
車が目の前を過ぎていく
どしゃぶりの雨
その中を、雨が当たるままに自転車をこいだ
家につくと
私は廊下と階段を濡らしながら部屋にあがった
そのまま、戸の前に座り込んだ
『 俺には できない 』
・・・
確かに、そう言った
私はこんなに先生のことすきだけど
先生はすきじゃないってこと
そっか そうなんだ
先生の彼女には
なれないんだ
シンプルな事実
シンプルすぎて 悲しさが増す
私の中は
からっぽになった