走り出せ、コスモス<前編>
お母さんが車で送っていくって言ってくれて、早めに学校に着いた
いつもなら早く着いたら
宿題を片付けたり予習を進めたりする私だけど
とてもそんな気分にはなれなかった
「沙枝ちゃん、おはようっ」
後ろから奈々ちゃんに言われた 私は振り返った
「おはよう」
奈々ちゃんの顔まで視線が上がらない
多分
うまく… 笑えてない
顔の筋肉がちゃんとはたらかない。
今の顔、絶対キモいよ…
私は、すぐ前を向いた