走り出せ、コスモス<前編>
「え…」
私はゆっくり頭を動かして
左から右へみんなの顔を全部見た
「別に無理に言わなくてもいいんだけど、話した方が楽になれるような気がするからさぁ」
みんな、私をじっと見つめてる。
ホントに
心配してるみたいに見えた
だめだ、私…
また自分のことでいっぱいいっぱいで
周りに心配かけちゃって
全然成長してない
ごめん みんな
心配かけて
「実は…」
一言ぼそっとつぶやくと、みんなが一斉に私にせまってきた
しゃがんで机につかまったり
前の子の肩に手をおいて前のめりになったり
すごい顔してる
何だかそれがおかしくて
びっくりして
笑えてきた