【極短】えんじぇる。
せかい
「リク、ごめんな」
「なんで…?」
「俺は、お前と一緒に地獄まで落ちてく勇気ねぇ」
「たっくん…」
「ごめん」
たっくんが天使だとするならば、私は悪魔だ。
天使のたっくんには、私が背負うものは重たすぎたみたいだ。
「リィ」
「…フラれた」
「リィ、おいで?」
リィ、と呼ばれるのはあまり好きじゃない。
子ども扱いされてるみたいで、変に苛立つ。
そして、私が悪魔だとするならばこの人は閻魔様だろう。
「これで満足?」
「当たり前だろう。リィは俺が幸せにしてやるんだから」
ディープな世界だと思う。
私は、契約をさせられる。
たっくんにかけてたのに、天使は逃げて行ってしまった。
「夏目くんは、私なんて好きじゃないでしょ?」
「好きだよ」
「嘘っ、本当はお姉ちゃんが…」
そこまで言うと、夏目くんはとても悲しそうな顔をした。
私の姉は天使だ。
だから、閻魔様の夏目くんはお姉ちゃんと付き合うことなんてできない。