初恋+one



眉間にしわを寄せて創平を見てると、
眉間にしわを寄せて返された。



「なに言ってんの貴大」




あれ、前もこんなんあったっけ。




微かにデジャブを感じていると
創平はぱこんと携帯のふたを閉じ、

真向かいに座る俺に体を寄せてこう言った。









「お前がチャンスじゃん?」









は・・・・・・?



ぽかんと口を開けて創平を見ると、
「どーだ」と言いたげに椅子に盛られかかり、


背もたれに全体重をかけると、
腕を組んで偉い人ポーズで決めた。




いや、意味わかんねぇし。

意味不ー。




「あんだけ長かった髪切ったんだ。
よっぽどの決意があるってことだろ?

完全に忘れるって覚悟決めたんだよ。
そこに傷心中の柊を癒す貴大登場!

『やっぱり貴大って優しいね?』

『バカだな。それはお前だからだよ。』


どっきゅーん!!!
恋、発動!! みたいな♪」   



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