初恋+one
短くなった髪の先をつまんで、
にこっと笑って見せた。
学校終わってからすぐ切りに行って、
初めて見せるのあかりなんだから。
でもあかりは、
携帯に視線を落とすと
「乃亜ちゃ~ん。」
バッとあたしに携帯を向け、
「はいっ、チーーズ」
「え、えっ?」
テロリロリン~♪
まぬけなシャッター音がなった。
「ちょっと! 何で撮ったの!?」
「またぁ。
ちゃっかりピースしてたじゃん。
超笑ってたじゃーん」
「のんちゃんに送ろー」なんて言いながら、あかりはまた携帯をいじりだす。
ぶーっと頬を膨らませて、
定位置である机の横に座った。
あかりからなんかないの?
あたしがむくれてると、
あかりが携帯のふたを閉じて
あたしの隣に座った。
「何でこんなに切っちゃったの?」