初恋+one
ぐらりと揺れる視界。
本を抜き取った振動からか、
体が後ろへとぐらついた。
そのぐらつきを何とかしようと、
左足を後ろに出したことが間違いだった。
左足を出したところに足場はなく、
全体重が脚立の外へといってしまった。
落ちるっ!
そう思ったときにはもう遅い。
あたしの体は完全に宙に浮き、
このまま落ちるのを待つだけ。
あぁ、いったいんだろうなぁ・・・・
なんてことを冷静に考えてしまうほど、
これは落ちたと実感してしまった。
ガシャンッ!!
静かな図書室に、
脚立の倒れる音が響く。
ぎゅーっと瞑っていた目を開けると、
「だから危ないって言ったのに・・・・・」
溜息混じりにそう言った貴大のドアップ。