初恋+one
「あ゛ーーーー」って、
言い続けてるから知らねぇんだろうな・・・
「お前さ」
「あ?」
「渡辺の事まだ好きなの?」
「なわけねーだろ。
いつまで引きずってんだ俺は」
「そっか」
「まだ残ってる気がするけど、
吹いたらどっか行くぐらいのモンだよ」
「じゃあ、好きな奴は?」
俺の言葉に、
髪をわしゃわしゃしていた手が止まる。
顔を上げた創平の顔は、
思いっきり眉間に皺がよってて、不機嫌そのものだった。
「何回も言ってんだろ?
俺はもう好きな奴とかいらねーって」
「じゃあ、何で今そんなに悩んでんだよ」
「それは、あかりが意味わかんねぇから」
「そんなんほっとけよ」
冷たいって自分でも思う。
でも、ここまで言わなきゃ創平は動かない気がして、創平の心を動かす言葉を捜した。
「・・・・・ほっとけねぇよ」
「なんで?」
「残るんだよ・・・・あかりの、
あかりの泣き顔が頭に残んだよ・・・・・・」