初恋+one



俺の腕にすっぽり収まる体。


細くて、それでも柔らかくて、
柊からはほのかな甘い香りがした。




かすかに頬に触れた髪がくすぐったくって、
もっと強く抱きしめた。



強く抱きしめたら壊れてしまいそうなのに、






それでも離せなかった。







毎日一緒にいるのに、
柊のほんとの気持ちが見えなくて。



今の関係が嫌な訳じゃないのに、
今の関係を壊したくてたまらない。



近くにいるはずなのに、
もっともっと近くが欲しい。







日に日に大きくなるこの気持ち。




隠し通せやしない、
きっといつか自分が自分でなくなるかもしれない。




そんな俺を、柊はどう思う?




いつまでたっても殻を破れなくて、
創平にまで抜かされた。




そんな俺を、どう思う・・・・・?




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