初恋+one
確かにこの手で柊を抱きしめた。
手にその感覚が残ってて、
その感覚を閉じ込めるように手を握る。
下駄箱に着くと、
校門にいる柊が見えた。
目が悪いからよくわかんないけど、
確かに柊と誰かもう1人いる。
靴を取り出すより前に、
目を凝らして必死で校門を見つめる。
やっとピントが合ってきて、
柊の横にいる奴の顔がはっきり見えた。
・・・・・・・・・旬?
そこにいたのは、
隣のクラスで同じサッカー部の旬。
そっか、柊と同じ中学だ。
旬から柊へと視線をずらすと、
一気に血の気が引いた気がした。