初恋+one
その声の方を見ると、
のんちゃんが猛ダッシュで走ってくるのが見えた。
「乃亜!!」
「はいぃ!? わっ、ちょ!」
ガシッと肩を組まれて、
廊下の隅まで移動させられる。
な、なんてタイミング・・・っ!
見てたの、のんちゃん!
「何? どうしたの!?」
貴大が待ってるのに。
そういう意味をこめて、
念を送るようにのんちゃんを軽く睨む。
でも、のんちゃんはそんなのお構いなし。
「ちょ、聞いたんだけどさ!」
貴大を気にしてか、
チラチラ貴大の事を気にしながら小声で話す。
「旬と真美さ・・・・・・」
のんちゃんの口から出てくる言葉。
その真実に、
一瞬言葉を失った。
「2人が別れた・・・・?」