初恋+one
何かで頭を殴られた気がした。
「旬彼女とうまくいってないらしいし、
俺なんかといっしょにいないでさ
旬のとこ行ってやれよ」
痛みがじんじん広がりやがて、
あたしの脳を支配する。
「何言って・・・・」
「ごめんな。好きでもない奴にあんなことされたら気分悪いだけだよな?
もうあんなこと、しないから」
あたしの声を遮って、
貴大から出てきた言葉。
その言葉にどう反応したらいいか、
――――わからない。
「先行くな」
そう言って貴大は背中を向ける。
その背中を追いかけたいはずなのに、
足がすくんで動かなかった。
今、何が起こったの?