初恋+one
まさかの展開に、
頭がついていかない。
頭がついていかないのに、
あたしの胸に大きく深い傷を残していった。
なんで? なんで? なんで?
いくら考えても、いくら思い出そうとしても。
あたしが貴大に、
何をしちゃったのかわからない。
『俺なんかと一緒にいないでさ、
旬のとこ行ってやれよ』
やめてよ。そんなこと言わないでよ。
あたしはもうとっくに・・・・・
――――貴大しかいらないのに
つい昨日、貴大の腕の中にいたあたし。
アレはもしかしたらあたしが作り上げた都合のいい夢だったんじゃないかなって。
そう思う自分が悲しすぎる。
抱きしめられたとき。
期待してないなんて言ったら嘘になる。
でも期待してしまった分、
余計みじめになる・・・・・・
『ごめんな』
貴大の声が耳の奥で木霊して、
何度も何度も頭の中を駆け巡る。