初恋+one
そう思われても仕方ない。
そう思わないと、
――――やっていけない。
時計を見上げると、
もう残り時間は5分だった。
このテストが終われば、
今日はもう家に帰れる。
テストの間は早く家に帰れる。
今がテスト期間でよかった。
その間に、自分の気持ちを消すんだ。
何もかも。
今まで積み重ねてきた想い。
全部、黒く塗りつぶす。
恋の終わり方なんて俺にはわからない。
だから、自分が出来ることをやる。
膨れ上がったこの想いも、
キリキリ痛むこの胸も、
積み重ねてきた思い出も。
全部、無かったことにする。