初恋+one
『ごめんな』
何度も頭の中でリピートされた言葉。
壊れたスピーカーみたいに、
何度も何度も繰り返されて―――
もう擦り切れて、
聞こえなくなってしまった。
「乃亜ー? 何してんの?」
振り返ると、
カーディガンのすそをみょんと伸ばし、
あたしに近づいてくるのんちゃん。
「何でもないよ」
小さく笑ってそう返すと、
のんちゃんは分かったようにニヤリと笑う。
「わーっかった♪
この間受けてた英検悲惨だったな?」
「まぁ、悲惨でしたけど・・・・・・・」