初恋+one
そうして、
ただただ何をするわけでもなく夏休みが終わった。
貴大が話しかけてくれない=
・・・・・・あたしの事が嫌い?
そんな考えが頭をよぎって、
あたしからも話すことが出来ない。
意気地なし、ばっかみたい・・・・・・
「乃亜ぁ~、英語の宿題やった?
やってたらみして欲しいんだけど・・・」
あかりの申し訳なさそうな声にハッとすると、慌てて意識を呼び戻す。
「え? あぁ、宿題ね。
やってるよー、昨日ギリギリだけど」
「そっかーあかり今日当たる日だ」
「そーなんだよねぇ・・・・・・
ってか今日のんちゃんも当たるんじゃない?」
「あたしは楽勝」
「イヤミぃ・・・・・」
「それ、乃亜にも言われたって」
きゃいきゃい話す2人を背に、
自分の鞄に手を突っ込んでノートを探す。
「・・・・・・あれ?」