初恋+one
ガサガサ音を立てながら、
中身がグチャグチャになるのも忘れて鞄を漁る。
「・・・・・・い」
「え? どしたの、乃亜」
「ない!」
「は?」
「宿題したノートない!」
「はぁ!?」
でっかい声で叫んだあかりは、
あたしの鞄を引ったくり中身を机に出し始めた。
「なんでこんなモンばっか入ってんの」
変なキャラクターのキーホルダを掴みながらケラケラ笑うのんちゃんをよそに、あたしとあかりは顔面蒼白。
「ちょっと乃亜ちゃん!」
きっとあたしの方を睨み、
肩をがっと掴んできたと思うと
「あたしの宿題どうすんのぉぉぉ!」
「そっちの心配!?」
「今日絶対当たるってば!」
「あかりがやってこないからー!」
あたしがそう叫ぶと、
しゅんとしながら目線をのんちゃんへと移動。
「のんちゃん、みして」