初恋+one
ドキンと小さく胸が音を立てる。
「な、何が?
話してないことないよ」
普通を保って、
あたしも自分の席に座る。
「嘘。見てないもん」
「あかりが見てないだけだよ」
「じゃあ、何話したの」
まっすぐ見てくるあかり。
そのまっすぐすぎる視線に、
胸がズキズキ音を立てる。
何も言えなくて、
俯いてあかりの視線から逃げてしまった。
「やっぱり。なんかあったの?」
「・・・・・別に」
何があったかなんて、
あたし自信も良くわからない。
あかりにそんなこと知られたくなくて、
偽りの言葉で自分を固める。
可哀想なんて思われたくない。
惨めだなんて思われたくない。
何もかもなかったことにして、
もう全部を真っ白に染めたかった。