初恋+one
微妙なハンバーグを口に突っ込み、
創平に視線を移す。
創平はと言うと、
顎に手を当ていかにも考えるポーズ。
「あ」
「あ?」
「最近、お前らが一緒にいんの見てねぇ」
創平からさらりと零れたその言葉に、
ゆっくりと目を閉じる。
「そうか?」
「そうだよ! 前まであんなに一緒にいたくせに、何で?」
何で・・・・・・・・な
「別に普通だろ?
つーか、コレあげる」
「普通って・・・・・・・コレ何」
「たぶん、卵焼き」
「・・・・・黒くね?」
創平のパックジュースの上に、
たぶん卵焼きであろう黒い塊を置いた。
「って、どこ行く」
「便所~」
「喰う前にいけよ!」
創平の叫びを背に、
騒がしい教室から出て行った。