初恋+one
『お前らが一緒にいんの見てねぇ』
か・・・・・・・
『お前ら』だけで、
誰の事を言ってるかわかってしまって。
まだ心の奥に『あいつ』の
存在が残っている事に気付く。
昼休みだから、
廊下は教室と同じぐらいうるさくて。
俺の考えてる事を、
全部消していってくれる気がした。
便所行くなんて嘘。
食事中にそんなもん出す気ねぇ。
ただ――――
核心に迫ってくる創平から逃げたかった。
今その話をされると、
忘れられそうな感情が帰ってくる気がした。
それだけは、
なにが何でも避けたい。
俺は、もう『あいつ』が好きじゃない。
夏が始まるちょっと前。
その気持ちはもう封印したはずだ。