初恋+one
――――え?
「今、なんて?」
聞き間違いかと思って、
もう一度柊に確認した。
だけど出てくる言葉は、
“体育館第二倉庫”―――――。
「それ、俺も」
「え?」
笑顔だった顔が、
真顔に変わった瞬間。
柊も何か違和感を感じたのか、
俯いて、何か考えてるみたいだった。
「でも、なんかよかったな」
「なんで?」
「だってわかんないんでしょ、場所」
「うん。だってそんなのあるかも知らなかったし・・・」
「俺もわかんなかった。
でも、もう簡単に見つかるでしょ」
そう言いながら指したのは、
柊のポケットから出てるキーホルダー。
「そっか! あたしの携帯から電話鳴らして探せばいいんだ」
「うん。簡単に見つかるんじゃない?」
「さすが貴大」
そう言いながら、
電話を掛け始めた柊。